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「忌み言葉」より先に考えたい「新しい忌み言葉」

冠婚葬祭マニュアルには、「忌み言葉」と呼ばれる禁句が必ず載っている。「重ね重ね、返す返すも、いよいよ、たびたび」などの重ね言葉。「切れる、別れる、去る、返す、終わる、出る、戻る、壊れる、離れる」といった縁起のよろしくない言葉。これぞ「常識」といわんばかりだが、清子内親王と黒田氏の結婚式の際にも、テレビ中継では、アナウンサーも解説者も「ただいま第一部が終わったようです」「披露宴を二つに分けたのがよかったですね」などと口にしていた。こういう立場の人は忌み言葉くらい知らないと恥だけれども、一般の結婚式では、もう気にしなくてもよいのではないだろうか。それよりも、避けたいのは、昔の家制度を連想させる言葉、性別役割分業を強調する言葉だろう。言い換えられるものは、できるだけ言い換えたい。・嫁ぐ、お嫁にいく、嫁さんをもらう→結婚する・ご両家のみなさま→お二人のご家族、お二人のご親族・籍を入れる、入籍する→婚姻届を出す・婿養子に入る、婿に来てもらう→妻の姓を名乗るこちらを先に禁句にしたほうがいいという言葉もある。「夫唱婦随」「一家の大黒柱」「内助の功」「女の鑑」「いいお嫁さんになる」「かわいいお嫁さん」「夫を立てる」「嫁さんの尻に敷かれる」など。「偕老同穴」「比翼連理」「鴛鴦の契り」「落花流水の情」などは、こうなるとむしろ新鮮かもしれないが、すでに意味がわからない人が多いだろう。

おしんこのしのび食いの作法とは

会席などでは香の物として出されるおしんこ。どんなに正式で豪華な料理のときでも、コースをしめくくるのは、ごはんと漬物なのだ。もともと漬物は、ごはんを湯漬けにして食べるときのおかずとされるから、箸を出すのは、コースの最後になってからだ。最初から膳に出ていても、お茶が運ばれるころまで手をつけないのがマナーである。そんな席では、葉ものにしても根菜にしても、ほとんど小さく刻んでくれてあるはずだから、少量ずつ取って食べればよい。ところがたまに、たくあんやべったら漬けのような、大ぶりに切ったものが出るときがある。一口では大きすぎるのに箸では切れないし、半分だけ食べて皿に戻したくても、歯形が残ってみっともない。そんなとき役立つのが「しのび食い」の作法。たくあんをかじったあと、その両端をほんのちょっとずつかじり取って、はっきりした歯形を隠す作法だ。たくあんばかりか、かまぼこなどにも使える食べ方である。よそのお宅に招かれたときで、漬物が大皿盛りになっており、自分のぶんだけ取り分けるときは、必ず取り箸を使う。自分の箸をひっくり返して、頭の部分で取る人がいるが、さっきまで手の当たっていた部分になるわけで、清潔とはいいがたい。そしてまた、その部分を持って食べることになるのだから、手も汚れる。取り箸がないとき貸してくれるよう頼むのは、けっして不作法にはならない。

「またかけ直します」でも伝言を

電話をかけて相手が不在だった場合、「かけたほうからかけ直す」のが原則。しかし、「こちらからまたかけ直します」と伝言しても、「先ほどは席をはずしており失礼いたしました」と、さわやかに折り返しの電話をくれる人がいる。わざわざ電話をかけてくれるその人はもちろん、用件を言わなくてもきちんと伝言してくれた人の気配りも、とてもありがたいものだ。電話をとって、名指し人が不在のとき、相手が「こちらからかけ直す」と言っても、そのままにしておいてはいけない。相手の社名、名前、電話番号、かかってきた時間はメモで名指し人に伝えておこう。たとえ相手が「かけ直す」と言っていても、こちらからすぐに折り返したほうがいい相手かもしれない。「相手がかけ直すって言っているんだし」と、勝手な判断で「なかったこと」にしないように。その電話が重要かどうかは、名指し人が判断することだ。


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